MiniArt 4はコンパクトなミニタワーながら、公称165mmまでのCPUクーラー有効スペースを確保している。一方でラジエーターはトップパネルに最大240mm、リアに120mmサイズの搭載が可能とされる。今回はトップパネルに240mmラジエーターを固定し、オールインワン型水冷ユニットを搭載してみた。 トップパネルの搭載スペース前方には吊り下げ式電源ユニットが配置されるため、両者は限られたスペースを共有することになる。ATX電源の高さは規格で86mmに固定されているため、実測で残るラジエーター搭載スペースは約280mmだった。

そもそも「240mmラジエーター」という呼称は120mmファンを2基並べたサイズを基準としているため、実際のラジエーター全長はこれより長くなる。スペック表では確かに240mmラジエーター対応とされるが、市場に流通する実際のラジエーター全長は製品ごとに差が大きく、280mmを超えるモデルも存在する。これはタンク形状やチューブ接続部の設計によって寸法が変化するためだ。
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| リアには120mmファンが搭載されているため、チューブは電源ユニット方向に向けて固定することになる |
あいにく編集部には全長の短い240mmサイズラジエーターの現行モデルがなかったため、今回は世代が古いCooler Master「MasterLiquid ML240L V2 ARGB」(2020年7月発売)を使用した。ラジエーター長277mmのモデルで、搭載はギリギリながら可能だった。 このようにMiniArt 4はラジエーター搭載スペースが非常にタイトなため、オールインワン型水冷ユニットを導入する際にはラジエーター全長の確認が必須であることを覚えておきたい。
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| 全長277mmのラジエーターを設置した状態。電源ユニットと接触寸前の共存となるため、これ以上のサイズでは物理的干渉を起こしてしまう |
グラフィックスカードの有効スペースは最大330mmとされる。ここにNVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」を搭載してみよう。厚さ61mmの3スロット占有で、カード長304mm、幅137mmのハイエンドモデルだ。
| 1本のハンドスクリューで固定された「拡張スロット化粧カバー」は左側に蝶番がある開閉式。開いた状態で拡張スロット金具固定用インチネジがあらわになる |
搭載手順は、まずハンドスクリュー1本で固定されている「拡張スロット化粧カバー」を開放し、必要となる3段分の拡張スロット金具を取り外す。続いてマザーボードにGeForce RTX 4080 SUPER Founders Editionを装着し、インチネジ3本で固定する。最後に化粧カバーを元に戻せば作業は完了だ。
| 厚さ61mmのGeForce RTX 4080 SUPER Founders Editionを搭載すると、ボトムファンまでの距離はわずか約14mmだった。ただし、12V-2x6コネクタケーブルは、ボトムファンの横を通すことで物理的に干渉することはなかった |
グラフィックスカードの有効スペースとされる330mmに対し、304mmのカードを固定するとフロントパネルまでは実測で約70mmの余裕があった。ただし、この空間には電源ケーブルなどが集まるため、カード末端はケーブルと接触する形での共存となる。電源ユニットのケーブル構成にも依存するが、公称値の330mmをフルに活かすのは難しいかもしれない。
MiniArt 4を評価する上で、まずは市場想定売価が税込7,480円であることを念頭に置きたい。すべてが完璧とは言えないが、多少の短所があってもそこへ立ち返れるのは、MiniArt 4最大の武器でもある。

[○]な点は、ボトム面のリバースファンを含め、120mmファンが3基標準で装備されているところ。24.5リットル(内部容積)の小型ボディは外観上の大きな魅力だが、限られた内部容積ではエアフロー性能を高めなければ、現在の自作PC市場では成立しない。それを支えるのが3基の標準装備ファンであり、フロントおよび左サイドパネルのVent Holesがその役割を十分に果たしている。MiniArt 4がコンパクトながら冷却重視の筐体であることは明らかだ。

一方で[×]な点は、汎用性がいまひとつなトップパネルのラジエーター搭載スペースだろう。240mmサイズラジエーターに長さの規定はないが、設計は最大公約数をとることが安全であり、詳細サイズが開示されていない中での制約はユーザーの不利益を生む可能性がある。加えて、裏配線スペースの「B」エリアだ。さすがに8mmは狭く、もう少し余裕がほしい。

課題もあるPCケースだったが、トータルに考えれば市場想定売価税込7,480円はやはり魅力的な価格設定だ。すべてを把握した上でチョイスすれば、エントリークラスながらミドルレンジクラスの筐体でハイエンドクラスのPCを構築できる。
提供:Okinos
株式会社リンクスインターナショナル